司法書士・行政書士和久咲法務事務所
ブログ一覧へ戻る
相続登記

相続登記は自分でできる?司法書士に依頼した方がよいケースとは

WRITTEN BY 司法書士和久咲法務事務所

親が亡くなり、自宅や土地の名義を変更しなければならなくなったとき、「相続登記は自分でもできるのだろうか」と考える方もいらっしゃると思います。

また、司法書士に依頼すると費用がかかるため、できれば自分で手続きを済ませたいと考える方もいるでしょう。

結論から申し上げると、相続登記は司法書士に依頼しなくても、自分で行うことができます。

ただし、相続登記の手続きは、単に不動産の名義を書き換えるだけではありません。相続関係や不動産の状況によっては、思っていた以上に時間や手間がかかることもあります。

今回は、相続登記を自分で行う場合の手続きや、司法書士に依頼した方がよいケースについて説明します。

相続登記は自分でもできる

相続登記は、亡くなった方が所有していた不動産について、相続人への名義変更を行う手続きです。

この手続きは、必ず司法書士に依頼しなければならないものではありません。

相続人自身が必要書類を準備し、法務局に登記申請を行うこともできます。

法務局では、相続登記を自分で行う方に向けて、申請書の記載例や必要書類についての案内も公開しています。

例えば、父親が亡くなり、相続人が母親と子ども2人である場合を考えてみましょう。

相続人全員の話し合いがまとまり、不動産を母親が相続することになった場合、必要な戸籍などを収集し、遺産分割協議書を作成することで、相続登記を申請することができます。

このように、相続関係が比較的単純で、必要な書類もそろえやすい場合には、自分で手続きを進めることも十分考えられます。

相続登記にはどのような手間がかかるのか

相続登記を自分で行う場合、どのような作業が必要になるのでしょうか。

一般的な遺産分割による相続登記では、主に次のような作業が必要になります。

  • 亡くなった方の出生から死亡までの戸籍などを収集する

  • 戸籍を確認し、相続人を確定する

  • 登記事項証明書などで対象となる不動産を確認する

  • 相続人全員で遺産分割協議を行う

  • 遺産分割協議書を作成する

  • 固定資産評価額などを確認し、登録免許税を計算する

  • 登記申請書を作成し、法務局に提出する

もちろん、相続の状況によって必要な作業は異なります。

ここで注意したいのは、これらの作業は、それぞれが独立した単純な事務作業とは限らないということです。

例えば、遺産分割協議書を作成するためには、誰が相続人であるのかを確認する必要があります。また、不動産を正確に記載するためには、登記事項証明書などを確認しなければなりません。

さらに、亡くなった方の住所と登記上の住所が異なる場合には、同一人物であることを確認するための書類が必要になることもあります。

相続登記は、こうした確認作業を積み重ねながら進めていく手続きなのです。

司法書士に依頼した方がよいのはどのようなケースか

相続登記を自分で行うことはできますが、相続の状況によっては、司法書士に依頼した方が円滑に進む場合があります。

例えば、次のようなケースです。

① 相続人が多数いる場合

相続登記を長年行っておらず、相続人が亡くなったことで、さらに相続が発生している場合です。

このような場合には、相続関係が複雑になり、誰が遺産分割協議に参加する必要があるのかを確認するだけでも手間がかかることがあります。

② 相続人同士が疎遠な場合

相続人の中に長年連絡を取っていない方がいる場合には、相続人の調査や連絡方法について慎重な対応が必要になります。

③ 相続人の中に認知症の方がいる場合

遺産分割協議を行うためには、相続人が協議の内容を理解し、判断できることが必要です。

相続人の中に認知症の方がいる場合、その方の判断能力の程度によっては、遺産分割協議を行うことが難しいことがあります。

その場合には、成年後見制度などの利用を検討する必要があります。

④ 相続人の中に未成年者がいる場合

未成年者が相続人となる場合には、原則として親権者などの法定代理人が手続きに関与します。

ただし、親権者自身も相続人となっている場合など、未成年者と親権者との間に利益相反が生じるときには、家庭裁判所で特別代理人を選任する必要があります。

このような場合には、相続登記だけでなく、家庭裁判所での手続きも必要になるため、専門家への相談をおすすめします。

⑤ 相続人の中に行方不明者がいる場合

相続人の中に所在が分からない方がいる場合には、遺産分割協議を進めることが難しくなります。

このような場合、戸籍や住民票などを調査して所在を確認することになりますが、それでも所在が分からないときには、不在者財産管理人の選任など、家庭裁判所での手続きが必要になることがあります。

また、長期間生死が不明な場合には、失踪宣告などの制度を検討することもあります。

⑥ 不動産の状況が複雑な場合

自宅の土地と建物だけでなく、私道の持分や遠方の土地などがある場合には、登記の対象となる不動産を漏れなく確認する必要があります。

また、古い抵当権などが残っている場合には、相続登記とは別の手続きが必要になることもあります。

⑦ 手続きに時間をかけられない場合

仕事や家庭の事情などで、平日に役所や法務局へ出向くことが難しい方もいるでしょう。

このような場合には、司法書士に手続きを依頼することで、ご自身の負担を軽減することができます。

自分で行う場合と司法書士に依頼する場合の費用の違い

相続登記を自分で行う場合と、司法書士に依頼する場合では、当然ながら費用に違いがあります。

相続登記では、原則として登録免許税が必要です。また、戸籍や登記事項証明書などを取得するための費用もかかります。

これらは、基本的に自分で手続きを行う場合でも、司法書士に依頼する場合でも必要となる費用です。

一方、司法書士に依頼する場合には、これらの費用に加えて司法書士報酬が発生します。

司法書士報酬は、単に登記申請書を作成することだけに対する費用ではありません。

戸籍を確認して相続人を調査したり、対象となる不動産を確認したり、必要に応じて遺産分割協議書を作成したりすることも、業務の一部となります。

そのため、相続人の人数や相続関係、不動産の状況などによって、必要な作業や報酬が異なることがあります。

自分で行う場合には費用を抑えられる一方で、書類の収集や確認、申請書の作成などに時間と労力が必要になります。

どちらがよいかは、費用だけでなく、ご自身が手続きにかけられる時間や、相続関係の複雑さなども考慮して判断するとよいでしょう。

自分で行うか、司法書士に依頼するか

相続登記は、自分で行うこともできる手続きです。

相続関係が単純で、必要書類の収集や申請書の作成に取り組む時間がある方であれば、ご自身で手続きを進めることも選択肢の一つです。

一方で、相続人が多い場合や、何代にもわたって相続登記をしていない場合、相続人の中に判断能力が十分でない方や未成年者、行方不明者がいる場合などには、専門的な確認が必要になることもあります。

また、手続きを進める中で、当初は想定していなかった問題が見つかることもあります。

大切なのは、相続登記を自分で行うことにこだわりすぎず、ご自身の状況に合った方法を選ぶことだと思います。

千葉県習志野市や八千代市などで相続登記を検討されている方で、手続きに不安がある場合には、当事務所もしくは、管轄の法務局(習志野市:千葉地方法務局(本局)/八千代市:千葉地方法務局船橋支局)や最寄り司法書士に相談することを検討してみてはいかがでしょうか。

なお、法務局では、ご自身で相続登記を行う方に向けて、申請書の記載例や必要書類などを案内しています。詳しくは、法務局のホームページをご参照ください。

法務局「相続登記・遺贈の登記の申請をされる相続人の方へ」

ご相談はお気軽に

記事の内容でご不明な点がありましたら、お気軽にお問い合わせください。