2018年10月号


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わくさき通信・2018年10月号
わくさき通信・2018.10.pdf
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わくさき通信・今月号のテキスト版です。

普通のハガキで訴えられることはありません!!

法務省のホームページによると「法務省管轄支局 国民訴訟通達センター」などの名称により、あたかも各種料金の滞納により民事訴訟が提起されているかの如く、早急の裁判の取り下げを通告してくるハガキは封書が届くことがあるようです。 いわゆる架空請求と呼ばれるものだと思います。

 

 そもそも、民事裁判の開始手続きについて裁判所から普通のハガキや封書(書留などを含む)で通知が来ることはありません。

 

 

 裁判所から来る通知は「特別送達」という、読んで字のごとくの「特別な通知」で行われます。裁判所の名前(東京地方裁判所や千葉地方裁判所など)や住所・電話番号が記載された封筒で送られてきます。そして、その封書には「特別送達」という朱印が押されており、郵便局員から直接手渡しされます。

 

つまり、民事裁判の開始手続きについて裁判所からの通知がポストに入っていることはないのです。

 ですから、あたかも国の役所・機関のような名称の団体からの通知であっても、それが普通のハガキや封書で送付され、その内容が民事裁判の開始手続きについてのものであれば、間違いなく架空請求です。一切無視してしまって構いません。

 

 一方、もし、裁判所名が入った封筒で郵便局員から「特別送達」を受け取った場合は、絶対無視をしてはいけません。

 仮に、訴えられる覚えがなかったとしても、裁判所に問い合わせ等をして必ず対応を取らなければなりません。なぜなら、訴えの内容はともかく、正式に訴えられた可能性が高いのでそのままにしておくと欠席裁判を行われてしまうことがあるからです。

 

 

もし判断に迷った場合は、そのハガキや封書をもって弊所や市役所などの公的機関の窓口にご相談ください。

住宅ローンを完済したら・・

住宅ローンを完済されてほっとされている方もいらっしゃるかもしれません。完済おめでとうございます。

 

 ただ、あともう一仕事残っていることをご存知ですか?

 それは、抵当権抹消登記手続きです。

 

 マイホームをご購入時に各金融機関から住宅ローンを借りられた場合、ほとんどの場合、住宅ローンを担保するためにご自宅に抵当権の登記がされています。

 この抵当権の登記は、住宅ローンをお借入れの際に登記費用は負担させられていますが、手続き自体は金融機関のほうでほぼ自動的に行ってくれます。そのため抵当権の登記が行われていること自体を認識されていない方もいるかもしれません。

 

 一方、住宅ローンを完済された場合、対金融機関とのお借入れはゼロになったのですが、自宅に登記された抵当権は自動的には抹消されません。金融機関も主導的に手続きはしてくれません。

 

 

 もしかしたら、完済書類の授受の際に「抵当権抹消手続きについて当行の司法書士に依頼することもできますがいかがしますか。」などとアナウンスがあったかもしれません。

 とはいえ、せっかく完済したばかりだというのに、またもや費用がかかりそうな説明に「いや、自分でやります」とか「後で検討します」みたいな回答により後回しにしてしまった方もあるかもしれません。

 そのお気持ちよくわかります。

 

 ただ、そうして後回しにしてしまった場合、自宅についている抵当権の登記は一向に抹消されません。

 抵当権抹消登記はご自身でも行える手続きですが、その手続きには金融機関から交付されている書類(金融機関の頭取等の代表者からの委任状等)が必要になります。

 完済時から時間が経ってしまうと、それらを紛失してしまったり、代表者が変わってしまって追加の書類が必要になってしまったりと手続きが複雑になることがあります。

 

 手続きが複雑になるということは、ご自身での手続きも難しくなり、専門家である司法書士に依頼する場合は手続報酬も高くなってしまうということでもあります。

 

 完済後の抵当権抹消手続きは、後回しにしても何も良いことはありません。早めのお手続きを強くお勧めします